2013年11月2日

昨日はピースフルスクールプログラムをもっと広く知って頂くためにイラスト動画を作ろうというプロジェクトの打ち合わせでした。イラストは私が書くことになりそうなので、今からドキドキしています…これから書籍化やワークショップの開催などをすすめて参りますので、ピースフルスクールにご興味のある方はぜひウォッチして頂けると幸いです☆

本日は、④<他者を思いやり、多様性を尊重する>について、実際にピースフルスクールの子ども達が学んでいることを例に挙げて一部ご紹介いたします。

♡他者を思いやり、多様性を尊重する♡
このテーマの狙いは、大きく2つあります。
ひとつは、子ども達がみんな少しずつ違っていることを理解し、多様性を尊重できるようになることです。
もうひとつは、教師が自身の偏見や判断に左右されることなく、全ての子ども達に対してオープンに接することが出来るようになることです。

まず、子ども達の取り組みについてご紹介いたします。
子ども達は、人それぞれの違いについてオープンな姿勢をとることが出来るようになります。誰かと似ていることも面白いけれど、似ていないことも素敵なことだと理解します。
この考え方を幼い頃から身につけることで、自分と違っている人を排除したいという感情が生まれにくくなります。いじめが起きにくい学校の土台をつくることにもつながります。

また、子ども達は、多様な人が存在しているからこそ違ったアイデアを出すことができ、より良い活動に結びつくことを、日々の生活で実感します。
ピースフルスクールプログラムでは、子ども達同士が協働作業をする機会がたくさんあります。
似たもの同士で共同作業をすると、気を遣わなくて良いので進めやすいこともありますが、考え方や知識が偏るために、アウトプットの質は平均的なものであることが多いです。
考え方や知識、バックグラウンドが異なるもの同士で共同作業をすると、自分の意見が全て通ることは難しいけれど、今まで思いつかなかったアイデアに気付くことができます。子ども達は、みんな違っていることが良いことであると、実際の活動を通して学んでいくのです。

次に、教師が意識しているポイントを一部ご紹介します。
ピースフルスクールでは、子ども達と同様に教師もリフレクション(内省)を大切にしています。教師は、以下のことを自分自身に問いかけて内省し、行動に結びつけています。

○教師として、子ども達に対してどのくらい違った接し方をしているのかを意識します。
自分の好みと偏見についてよく考えます。
教師は自分自身に対して、次のような質問をします。

・どの子どもが自分と一番似ているか、どの子どもが一番似ていないか。
・どの子どもを一番注意する必要があるか、どの子どもが一番注意しなくてよいか。
・どの子どもに一番心を動かされるか。それはなぜか。どの子どもに一番心を動かされないか。それはなぜか。
・どの子どもが他の子ども達と一番違っているか。
・どの子どもの家族と一番関わっていると感じるのか、それはどうしてなのか。

教師は学校で子ども達と一番近い存在です。子ども達のことを考え、愛情を持って接しています。ですが、教師も人間なので好みや苦手があることも事実です。その好みや苦手に左右されずに子ども達に接し続けることが出来るように、上記の内省をし、意識して自分の思考や行動パターンを見直します。

これは、教師を含む教育関係者だけでなく、全ての人にとって大切な問いであると考えています。チームで活動している学生さんや部下のいる社会人、保護者にとっても有益な問いではないでしょうか。
私も、この問いを時々自分自身に投げかけて、自らの思考と行動パターンを振り返りたいと思います。

次回は、⑤<社会の仕組みの中での自分の役割を知る>をご紹介いたします。
3連休の方は、充実したお休みをお過ごしくださいませ~^^