2013年10月31日

今日は10月最終日ですね!社会人になってから、時間が経つのがますます早く感じます…子ども達が大きくなるスピードもとても早いので、1日でも早くピースフルスクールプログラムを届けられるようにしたいと思います。
今回は、②<コンフリクト(対立)を自分で解決する>についてお伝えいたします。

♡コンフリクト(対立)を自分で解決する♡
ピースフルスクールでは、校内で起きる様々なコンフリクトやケンカを、メディエーター(仲裁者)と呼ばれる子どもが仲裁します。
メディエーターは小学校高学年の子どもが担当します。彼らはメディエーターになるための特別なトレーニングを受けます。
もちろん、このトレーニングを受ける前に、ピースフルスクールの全ての子どもは、オープンに話し合うことや、相手の話に耳を傾けること、自分の感情を冷静に分析すること、相手の感情を汲み取ることなどを、日々練習して習得しています。
これらがベースとなった上で、メディエーターは「ステッププラン」と呼ばれる仲裁の型を身につけます。そうすることで、初めて真の仲裁が出来るのです。
ピースフルスクールの仲裁は、メディエーターが対立している当事者に対して解決策を提示することはありません。また、メディエーターが当事者を叱ることもありません。
メディエーターは、当事者同士で問題を解決できるように、話し合いを促す役割を担うのです。
ステッププランの一部をご紹介します。

☆仲裁のステッププラン☆
<はじめに>
①メディエーターは、対立の当事者に、この問題の解決を手伝ってほしいと思っているか確認する。
②メディエーターは、以下の3つのルールを当事者と共有し、ルールを守る意思があるか確認する。
1.問題を解決するために心からベストを尽くすこと
2.他の人をののしらないこと
3.相手が話している時は、話を遮らないこと
<話をよく聞く>
①メディエーターは、当事者の一人に、何が起きたのか、どういう気持ちなのかを質問する。
②メディエーターは、①で当事者が話したことを、自分の言葉で言いかえる。
③メディエーターは、もう一方の当事者に、何が起きたのか、どういう気持ちなのかを質問する。
④メディエーターは、③で当事者が話したことを、自分の言葉で言いかえる。
⑤メディエーターは、両者から聞いたことを要約する。
<解決法を探す>
①メディエーターは、当事者の一人に、お互いが納得して問題を解決するためには何ができると思うか質問する。
②メディエーターは、①で当事者が話したことを、自分の言葉で言いかえる。
③メディエーターは、もう一方の当事者に、お互いが納得して問題を解決するためには何ができると思うか質問する。
④メディエーターは、③で当事者が話したことを、自分の言葉で言いかえる。
⑤メディエーターは、なるべく多くの解決策が挙がるよう、当事者を促す。
<解決法を学ぶ>
①メディエーターは、当事者に、<解決法を探す>で挙がった解決策を伝え、どの解決策を採用するか確認する。
②メディエーターは、当事者に、①の解決策でお互いに納得がいくか確認する。
③メディエーターは、当事者に、この仲裁が終わった後、まず何をするか確認する。
④メディエーターは、調停がうまくいったら、問題を当事者達で解決できたことを褒める。
⑤メディエーターと当事者は、それぞれ握手をし、仲裁を終える。

メディエーターは、仲裁中に当事者が感情的になることがあれば、仲裁をストップします。その場で落ち着くことが出来ない場合は、仲裁を延期したいかを当事者に確認し、当事者が延期を望んだ場合、そう判断をします。
また、一方の当事者が話をしている時に、もう一方が話を遮ることがあれば、メディエーターは、当事者にルールを再確認させて制します。

このように、ピースフルスクールは、社会に出るための準備としての教育を子ども達に届けています。通常、ピースフルスクールのレッスンは週1回実施することが多いのですが、レッスン以外の授業や課外活動においても、この考え方に沿って子ども達は学習します。
今回取り上げた仲裁も、日々の生活の中で実践されています。そうすることで、単なる知識やスキルではなく、現実で活かせる力を身につけることができるのです。

次回は、③<社会の一員としての責任感を持つ>をご紹介いたします。
10月最終日、頑張ってまいりましょう!^^